夫が単身赴任になってから、家の中が前より楽になった。
最初は、単純に人数が減ったからだと思っていた。
洗濯物も減るし、食事の量も減る。
家の中にいる人が一人少ないだけで、やることは少し減る。
でも、しばらくしてから、それだけではない気がしてきた。
家の中が静かになった。
音が静かというより、気持ちの上で静かになった感じがする。
夫のことを気にしなくていい。
夫の反応を気にしなくていい。
夫に合わせて、先にいろいろ考えなくていい。
それだけで、こんなに違うんだなと思った。
夫が家にいたとき、私はいつも少し気を張っていたのかもしれない。
それが普通になりすぎていて、自分が疲れていることにはあまり気づいていなかった。
夫がいない暮らしになって、夫のことを考えない時間が増えた。
それで、私は今まで思っていた以上に、夫に合わせていたのかもしれないと思うようになった。
正直、寂しいという気持ちはあまりない。
それよりも、家の中が落ち着いていることの方が大きい。
こう書くと、少し冷たいような気もする。
夫がいない方が楽だなんて、あまりきれいな話ではない。
でも、実際にそう感じている。
そこをごまかしても仕方がない気がする。
夫が単身赴任になったことで、家の中の空気が変わった。
そして、私の気持ちも少し変わった。
今まで当たり前のように気にしていたことを、気にしなくてもいい時間ができた。
たぶん、それだけでかなり楽になっている。
