夫が単身赴任になって、家の中に夫がいない時間が続くようになった。
それで初めて、見えてきたことがある。
私は、夫が家にいることで、思っていた以上に気を張っていたんだと思う。
夫の言動に引っかかっても、いちいち言わない。
義実家のことでモヤモヤしても、飲み込む。
夫に話しても通じないと思うから、だんだん言わなくなる。
頼むのも面倒になって、自分でやる。
そういうことが、ずっと「いつものこと」になっていた。
一緒に暮らしている時は、それが日常だったから、案外わからなかった。
なんか疲れる。
なんかしんどい。
でも、夫婦ってこういうものなのかな。
私が気にしすぎなのかな。
言っても変わらないし。
そんなふうに思いながら、はっきりしないまま過ごしていた気がする。
でも、夫が単身赴任で家にいなくなってから、家の中が静かになった。
夫の言動に反応しなくて済む。
義実家の空気も、前より直接入ってきにくい。
家族の暮らしが、夫抜きで回っていく。
自分の気持ちも、前より乱されにくくなった。
そこで初めて、
ああ、私は夫がいることでかなり疲れていたんだ
と思った。
これは、離れて冷静になったというより、離れたことで自分の本音が見えるようになった感じに近い。
夫がいない生活を経験しなかったら、たぶん私はずっと、ぼんやりしたままだったと思う。
夫婦ってこんなものなのかな。
私が気にしすぎなのかな。
でも何かしんどい。
言っても変わらないし。
そう思いながら、それをいつものこととして流していたと思う。
でも今は、前よりはっきりしている。
夫がいないと困るのかと思っていたけれど、実際は困るより楽だった。
家の中も、夫がいないことで止まるわけではなかった。
むしろ今の方が、家族の暮らしは回っている感じがある。
自分の気持ちも、前より安定している。
だから、夫が戻ってくることを考えると、今は少しざわざわする。
ここまで見えてきたから、気持ちの整理がついてきたんだと思う。
急に夫のことが嫌になったわけではないと思う。
長い間、少しずつ積み重なっていた違和感に、やっと言葉がついてきた感じがする。
