結婚するとき、夫の細かくないところがありがたかった。
あれこれ口を出してこない。
感情的に強くぶつかってこない。
良くも悪くも、おおらかに見える。
若いころの私は、たぶんそこに安心していたのだと思う。
一緒に暮らす相手として、何でも細かく言ってくる人より、多少ゆるい人の方が楽に見えた。
夫の「まあいいんじゃない」という感じに、救われていた部分もあったと思う。
でも、結婚生活が長くなると、同じところの見え方が少しずつ変わっていく。
結婚前は「細かくない」と思っていたところが、家庭の中では「細かいことを気にしない」に見えることがある。
子どものこと。
家のこと。
親のこと。
親戚との関わり。
日々の生活の小さな段取り。
家庭を回していくには、気にしなければいけないことがたくさんある。
そういうことは、放っておいても自然に整うわけではない。
うちの場合、その多くを私が引き受けてきたのだと思う。
ひとつひとつは小さい。
でも、それをずっと気にしている側は、やっぱり疲れる。
夫が気にしなくても済んでいたことを、私が気にしてきた。
夫が考えなくても済んでいたことを、私が考えてきた。
夫がそのままでいられたぶん、私が場を整えてきた。
昔は、夫の細かくないところを「楽」だと思っていた。
でも今は、同じようには思えない。
夫が大きく変わったわけではないのだと思う。
たぶん、昔からあまり変わっていない。
変わったのは、家の中の状況だったり、家族の形だったり、私が引き受けてきたものの量だったりする。
そして、私自身の受け止め方も変わった。
夫が悪い人だと言いたいわけではない。
でも、悪い人ではないことと、一緒にいて疲れないことは別の話だ。
昔はありがたかったところなのに、今はそこで疲れてしまう。
そう思うようになった。
