気持ちを整理しなきゃと思っているのに、なぜか疲れが増していくことがあります。
落ち着くために考えているはずなのに、頭の中が忙しくなっていく。
そうした感覚に、戸惑いを覚えることがあります。
気持ちを整理することは、楽になるための行為として語られることが多いものです。
けれど実際には、整理しようとする過程そのものが負担になる場面があります。
整理が「落ち着かせる作業」ではなく、「考え続ける作業」に変わっている場合もあります。
整理しようとすると、「何が原因か」「どう感じているのか」をはっきりさせようとします。
ただ、このとき答えが一つに定まらない問いを抱えたまま、考え続けてしまうことがあります。
整理のつもりが、思考を止めにくくする方向に働くこともあります。
また、気持ちを整理する行為には、「納得できる形にまとめたい」という前提が含まれがちです。
理由が分かり、筋が通り、説明できる状態にならなければならない。
そう考えるほど、曖昧なままの気持ちを許しにくくなります。
しかし、気持ちは必ずしも整理できる形をしているとは限りません。
はっきりした原因がないまま、重さだけが残ることもあります。
その状態で整理を続けようとすると、考える負荷が積み重なり、疲れとして表れやすくなります。
気持ちを整理しなきゃと思うほど疲れてしまう背景には、「整理=理解できる状態にすること」という考え方が関わっていることがあります。
理解しきれない状態を途中で止められず、考え続けてしまう。
その結果、気持ちそのものよりも、考え続けることに消耗している場合があります。
このように、気持ちを整理しようとして疲れる状態は、心の弱さや性格の問題として片づけられるものではありません。
整理の前提や向き合い方によって、疲れやすい構造が生まれていることがあります。
整理できない状態があること自体も、一つの状態として捉えることができます。


