老後のことを考えれば考えるほど、何が正解かわからなくなるとき

老後のことについて調べたり、考えたりするほど、かえって何が正解なのかわからなくなることがあります。情報は増えているはずなのに、判断に近づいている感覚を持てなくなることがあります。

最初は不安を減らしたくて考え始めたのに、選択肢や意見を知るほど、迷いが深くなっていく。考えるほど視界が広がる一方で、進む方向が定まらなくなる感覚です。

この混乱は、考え方が間違っているから起きているわけではありません。老後というテーマが、正解を一つに絞りにくい性質を持っているために、起きやすい状態です。

老後についての情報は、立場や前提条件によって大きく異なります。年齢、家族構成、健康状態、収入の見通しなどによって、「良い選択」とされる内容は変わります。そのため、別々の正解が同時に存在しやすくなります。

複数の正解が並んだ状態で考え続けると、どれか一つを選ぶこと自体が難しくなります。選ばなかった選択肢が気になり、「本当にこれでいいのか」という疑問が消えにくくなります。

こうした状況では、考えること自体が不安を増やしているように感じられることがあります。しかし実際には、不安が増えているというより、判断の軸が定まりにくくなっている状態に近いのかもしれません。

老後のことを考えれば考えるほど、正解がわからなくなるのは、判断力が足りないからではありません。正解が一つに定まらないテーマに向き合っているために、起きやすい反応です。

いま感じている迷いは、考えていない状態ではなく、選択肢を理解しようとしている途中の状態に近いのかもしれません。

 

※この記事は、シリーズ「老後の不安を、そのまま辿る」の一部です。

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