老後のことに触れようとしたとき、無意識のうちに話題から距離を取ってしまうことがあります。深刻に考えたわけでもないのに、別の用事を思い出したり、考えるのを後回しにしたりする状態です。
この距離の取り方は、逃げや回避というより、負荷を下げるための反応として起きやすいものです。老後というテーマは、一度に扱う情報量が多く、考え続けるにはエネルギーを必要とします。
こうした負荷の感じ方は、50代という時期に生じやすい状況として整理できます。
また、老後は「考えれば答えが出る」種類の話題ではありません。条件が定まらず、前提も流動的なため、考えても手応えを得にくい特徴があります。そのため、思考を続ける意味を感じにくくなります。
考える手応えがない状態が続くと、自然と距離を置く行動が選ばれやすくなります。話題を変える、考えるのをやめるといった行動は、その場の負荷を下げる役割を持っています。
距離を取る感覚は、老後を軽視しているから生じるものではありません。考え続ける準備が整っていない段階で起きやすい反応として現れます。
老後の話題から距離を取りたくなる状態は、関心の有無ではなく、扱える情報量や整理単位との関係で起きやすいものです。考えない選択が、一時的に均衡を保っている場合もあります。
